28日午後、企業が同じ職場で派遣労働者を使える期間の上限規制(最長3年)を
事実上撤廃する「労働者派遣法改正案」は、衆院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、
当初予定していたより2週間遅れで審議入りした。
現行の労働者派遣法は、「派遣は臨時的」との原則に沿い、企業が同じ職場で
派遣労働者を受け入れることができる期間を原則1年、最長3年(通訳など専門26業務は無期限)と
定めている。
これに対し、改正案は全業務で派遣期間の上限を3年とする一方、3年たった時点でそれまで雇っていた人
とは別の派遣労働者に代えるなら、引き続き派遣で要員を賄える。企業が労組の意見を聞いたうえで3年ごとに
人を入れ替えれば、ずっと派遣労働者を使うことも可能になる。
改正案は、臨時国会の与野党対決法案の一つ。
来年4月の施行に向け、今国会での成立を目指す政府に対し、野党は「派遣社員の増加を招く」と猛反発で、
11月30日までの会期内成立は微妙な情勢である。
(10月29日読売新聞より)