20日、財務省が発表した10月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、
輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は7100億円の赤字だった。赤字は28カ月連続。
赤字額は比較可能な1979年以降、10月としては前年に次いで過去2番目に多かった。
ただ、円安進行を背景に輸出額が増え、貿易赤字額は前年同月(1兆1004億円)から35.5%減少した。
赤字額の減少は2カ月ぶり。
輸出額は前年同月比9.6%増の6兆6885億円で2カ月連続の増加。
月間ベースでは2008年10月以来6年ぶりの高い水準。アジアや中東向けを中心に自動車(6.2%増)、
船舶(53.9%増)、鉄鋼(11.8%増)などが伸びた。財務省は「アジアなどの経済状況が
昨年より持ち直していることが反映されている可能性がある。円安の効果はさらに見極めが必要」と
分析している。
輸入額は前年同月比2.7%増の7兆3985億円。原発停止に伴う火力発電用の液化天然ガス(LNG)が
6.1%増と高水準の輸入が続いた。スマートフォンなどの通信機も29.6%増だった。
一方、世界的に価格が下落している原粗油は10.8%減少し、輸入額全体の増加幅を縮めた。
(11月20日 毎日新聞より)