総務省が28日発表した10月の全国消費者物価指数(2010年=100)は、
値動きの大きい生鮮食品を除く総合が103.6となり、前年同月より2.9%上昇した。
プラスは1年5か月連続で、伸び率は9月から0・1ポイント縮小した。燃料価格の下落などで、
上昇率は5月の3.4%をピークに縮小傾向が続いている。
日本銀行が試算する消費増税の影響(2.0ポイント)を除くと、上昇率は0.9%で、
消費増税後では初めて1%を割り込んだ。伸びの鈍化が鮮明になっている。
品目別では、電気代(5.2%)や灯油(6.1%)の上昇が引き続き目立つものの、
原油安の影響で伸び率は前月より縮小した。大手保険会社の値上げで、任意の自動車保険料が4.9%上昇した。
物価の基調を見る上で重要な「食料・エネルギーを除く総合」は2.2%の上昇だった。
先行指標となる東京都区部の11月の消費者物価指数(中旬速報値)は、生鮮食品を除く総合が102.0で、
前年同月比2.4%上昇した。上昇率は前月から0.2ポイント縮小した。
SMBC日興証券の牧野潤一氏は「原油安の影響で、物価上昇率は当面、減速が見込まれる。
日銀の2%の物価目標達成は難しく、来春までに追加の金融緩和に追い込まれそうだ」と話している。
(11月28日 読売新聞より)