東京商工リサーチが、8日発表した11月の全国企業倒産状況によると、倒産件数(負債額1000万円以上)は前年同月比14.6%減の736件だった。
11月としてはバブル期の1990年(633件)以来、24年ぶりの低水準。公共事業の増加などが件数抑制につながった。前年同月を下回るのは2カ月連続。
負債総額は16.2%減の1154億7700万円で、10カ月続けて前年を下回った。負債100億円以上の大型倒産は3カ月連続で発生していない。
大手企業を中心に業績が好転する一方で、建設業をはじめ、小売業、外食産業など幅広い業種・産業で「人手不足」が波及し、「求人難」による倒産が発生している。
これまで東京商工リサーチでは、「人手不足」関連倒産を集計していたが、主に代表者死亡や入院などによる「後継者難」型、経営幹部や社員の退職に起因した「従業員退職」型が中心だったが、最近の「人手不足」に伴い「求人難」型もみられるようになった。
11月の「人手不足」関連倒産は28件(前年同月22件)。この内訳は、すべて代表者の死亡や入院などによる「後継者難」型だった。
2014年1-11月累計の276件では、「後継者難」型が248件(前年同期219件)、「求人難」型が18件(同11件)、「従業員退職」型が10件(同15件)になった。
また、最近の倒産では人件費高騰による負担増から資金繰りが悪化したケースも出ている。「人件費高騰」関連倒産は、2014年11月は5件発生し、2014年1-11月の累計は25件(前年同期8件)だった。
事業継承の課題が深刻化していることを背景に「後継者難」が圧倒的だが、今後の「求人難」型の動き、中小企業経営の痛手になっている「人手不足」や「人件費高騰」は、求人広告代理店である弊社にとって特に注目される問題である。
(12月8日 読売新聞・時事通信より)
2014.12.10