政府が14日閣議決定した2015年度予算案は、経済再生と財政再建の両立の実現を掲げた。
歳出面では、安倍首相の経済政策「アベノミクス」の柱として、人口減に歯止めをかけるための
「地方創生」や「女性が輝く社会」に向けた子育て支援などに予算を重点配分したのが特徴である。
雇用に関してのポイントは、非正規で働く人の処遇を改善する「正社員実現加速プロジェクト」に
321億円を盛り込んだ。勤務地や職務を限定した「限定正社員」制度を新たに導入した上で、
非正規雇用から転換した企業に対して助成する。一般の正社員に比べると、転勤がないなど
仕事の負担が少ない分、処遇などは劣るが、雇用をより安定させる狙いがある。
派遣スタッフを正社員として雇い入れた企業や、非正規雇用の賃上げをした企業に対する助成金も拡充する。
若者の就職支援には、100億円を計上した。若者の正社員雇用と育成に積極的に取り組む
企業を認定する制度を設けることで、企業に積極採用を促す。
外国人技能実習制度については今後、対象の拡大を見込んでいる。
実習生に対する賃金未払いなどの不正を防ぎ、適正運用を図るため、
受け入れ企業や団体に立ち入り調査の権限を持つ公的機関の創設などに15億円を充てる。
(2015年1月15日 読売新聞より抜粋)