人材派遣会社の業界団体である「日本人材派遣協会」が27日に発表した意識調査で、
派遣で働く人たちの複雑な「本音」が明らかになった。
「当面希望する働き方」として「派遣」と回答した人が67.0％に上り、「正社員」（18.8％）と
いう回答を大きく上回った。
しかし「数年後に希望する働き方」としては「正社員」（44.7％）、「派遣」（14.9％）となった。
派遣社員という働き方は「一時的なもの」と捉えている人が多いようだ。
調査結果によると、派遣社員の約9割は女性で、平均年齢は38.1歳だった。
」8割以上が正社員経験者で、そのうちの6割は、5年以上正社員として働いた経験を持っていた。
数年後の働き方としては希望する人が多かったのは「正社員」（44.7％）だったが、
正社員を希望する理由（複数回答）としては「雇用が安定するから」が84.3％でトップ。
現状は派遣社員で良いとしても、「正社員＝安定、派遣社員＝不安定」と捉え、
将来的には正社員として働きたいと考えている人が少なくないようだ。
もし派遣先から「ウチで働かないか」と正社員の打診を受けた場合、
派遣社員の人はどう応じるのだろうか？
「受け入れる」（42.1％）、「断る」（20.8％）との回答になり、正社員として働くチャンスが
あっても、派遣のまま働き続けたい人も一定数いるようだ。
「断る」と答えた人の理由（複数回答）は、「体力的・精神的な負担が多くなるから」（34.2％）が最も多く、
そのほか、「職場の人間関係が煩わしいから」（30.5％）、「仕事の責任が重くなるから」
（25.9％）、「残業がある、または多いから」（24.3％）といった理由に回答が集まっていた。
今回の調査結果では、労働時間について、半数以上（52.7％）が
残業が「ゼロ」と回答している。残業があると回答した人でも、週に数時間以内と答えた人が
ほとんどだ。
確かに、仕事べったりの生活になることを嫌って、あえて派遣という
働き方を選ぶ人もいるようだ。働き方は人それぞれ。
正社員と派遣社員、どちらがよいかは、一概には決められないのかもしれない。
【調査概要】
期間：2014年9月～11月
方法：インターネット調査
対象：現在～過去半年間に派遣社員として働いていたことがある人
有効回答：4,593件の有効回答のうち、現在派遣で働いている人（3,898人）の回答を集計。