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2015.03.12

〈自動車・電機大手〉前年水準以上の賃金で調整

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 平成27年春闘は、昨年以上の賃上げ実現が焦点となってきた。

 経団連の榊原会長は9日の記者会見で、

「昨年の実績と同程度以上の賃上げ水準となることを期待している」と表明。

一方、連合の古賀会長も同日の会見で「昨年は一定水準に張り付いていた賃金を

引き上げる回答を引き出した。

この流れを加速させ、広げていく」と述べ、

大幅な賃上げを目指す考えを強調した。


 政府は経済界に賃上げを繰り返し要請しており、

大企業に続き中小・零細企業に賃上げの動きが波及するかどうかも

注目されている。

平成27年春闘では、自動車や電機など

幅広い業種が昨年実績を上回るベアを実施する見通しだ。

 5日には、トヨタ自動車も平成27年春闘で、

ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分について

月4千円を軸に調整していることが分かった。

 春闘相場に強い影響力を持つトヨタが、昨年の妥結額(2700円)を

大幅に上回るベアに踏み切ることで、賃上げが個人消費の回復につながる

“経済の好循環”の実現を後押ししそうだ。

 平成27年春闘でトヨタの労働組合は昨年の要求額の1.5倍に

相当する6千円のベアを要求した。消費税増税後の物価上昇や、

政府の強い賃上げ要請を追い風に強気の交渉に出ている。
 一方、経営側は業績改善を背景に、昨年以上のベアを実施する方針だが、

労組側が求めるベア6千円については難色を示している。

 労使交渉では、5千円台のベアも踏まえた上で、

4千円前後を視野に調整が進む見通し。

ベア以外の定期昇給に相当する賃金制度維持分は、

7300円の満額を提示する可能性が高い。

ベアと合わせて1万1千円以上の賃上げが行われる公算が大きい。

年間一時金も6.8カ月分の満額で妥結するとみられる。

 円安による海外販売の採算改善を背景に、

トヨタは27年3月期決算で本業のもうけを示す

連結営業利益が過去最高の2兆7千億円に達する見込み。

政府の賃上げ要請をはじめ、利益還元を求める圧力は強く、

高水準のベアに踏み切る。

 ただ、トヨタの妥結額は、円安の恩恵を受けられない系列の

下請け部品メーカーなどの労使交渉にも影響するため、

交渉には流動的な部分も残る。

 9日には、日立製作所、三菱電機、パナソニック、東芝、

富士通、NECなど電機大手6社も各社の労働組合が要求する

ベースアップ(ベア)6000円に対し、

回答額を2000〜3000円とする方向で調整に入った。

前年実績(2000円)と同水準以上の賃上げが実現する見通し。

労使交渉は18日の集中回答日に向け、ぎりぎりの駆け引きが続きそうだ。

 電機大手労組は、産業別労働組合「電機連合」にスト権を委譲し、

同一額でのベア回答を求め経営側と交渉する方式を取っている。

電機大手では円安で業績が好調な企業が多いため、

大手労組は強気の姿勢で交渉に臨んでいる。

 経営側は、基本給や社会保険料など固定費の増加につながる

ベアに対し慎重。ただ、好業績に加え政府からの賃上げ要請もあり、

ベアが必要との認識では一致している。

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