食品スーパー大手のライフコーポレーションは
5月からパート従業員約2万人の階層を6段階から
50段階に細分化し、働き具合に応じて昇級する機会を増やす。
定期昇給(定昇)を始めることが13日、分かった。
ライフは首都圏や関西を中心に、約240店舗を展開しており、
従業員数は約3万6千人。
人手不足で人材確保が難しくなる中、
非正社員の待遇を改善することで、優秀な働き手を確保する狙い。
大手企業でパート従業員にも定昇を導入するのは珍しい。
ライフ労働組合が昨年の春闘で導入を求め、
労使でこのほど合意に至った。
新制度では、パート従業員の多くが評価区分に応じて
毎年5〜10円時給が上がる。年間で1人当たり約2万円の賃上げになる
ケースもあるという。
これまでは人事評価で等級が上がらないと時給は増えなかった。
会社側は新制度導入により、初年度で人件費が
数億円増えると見込んでいる。
三越伊勢丹も5月から、非正規社員の評価の機会を年2回にする。
全日空は「人材の獲得競争が激しく、人材を獲得したい」として、
16年4月から初任給を8年ぶりに約5%引き上げる。
イオンは主力の総合スーパーが不振だが、
パート従業員の処遇を改善する方向で検討している。
航空や小売り、外食など幅広い業界では、人手不足が深刻化。
職場の中心となる優秀なパート従業員をつなぎとめるため、
時給の引き上げなど、待遇改善に乗り出す動きが加速している。