JR九州は20日、平成27年度の事業計画を発表した。
景気回復による旅客増を見込み、売上高にあたる営業収益(単体)が
初めて2千億円を突破するとした。
人件費の削減などで
鉄道事業の赤字幅も縮小し、経常利益、最終利益ともに過去最高を見込む。
青柳社長は「株式上場する平成28年度に向け、方針が定まった。
鉄道事業の赤字は前倒しで改善したい」と述べた。
営業収益は2036億円で、前年度計画比で57億円増加する。
経常利益は143億円、最終利益は100億円とした。
こちらも過去最高の見通し。増収では景気回復と
JR大分駅ビルの開業効果などを見込んだ。
一方、定年退職に伴う社員数の減少などで、
人件費が前年度計画に比べ18億円減少し、542億円となる。
事業分野別では、鉄道運輸収入が1447億円に達する。
内訳は新幹線が439億円(前年度計画比6億円増)、
在来線が954億円(同18億円増)としている。
鉄道事業の赤字は、前年度計画比で15億円改善し、
130億円と弾いた。
設備投資額は763億円と、過去最高だった26年度並みに設定した。
自動改札や変電施設の取り換えなど輸送設備の維持・更新に236億円、
新博多ビルや大分駅ビルの建設などに457億円、
新たな観光列車「或る列車」の制作費などに35億円を充てる。
安全対策への投資に約3割を配分した。
JR九州は20日、平成27年春闘で、
月額300円のベースアップ(ベア)を実施することで
労使が妥結したと発表した。ベアは平成20年度以来、
7年ぶりとなる。また、夏季賞与については、
2.55カ月分(前年2.52カ月分)で妥結した。
西武ホールディングス(HD)傘下の中核事業会社、
西武鉄道も25日、社員の基本給を平均で約0.6%(月額で2000円)
引き上げるベースアップ(ベア)を実施することを決めた。
ベア実施は、2001年度にベアに相当する賃上げを行って以来
14年ぶりで、09年度に導入した現在の賃金制度では初となる。
定期昇給と合わせた賃上げ幅は約2.6%(同約8000円)となる。
対象となるのは管理職を除く正社員約3150人で、
3月16日以降の賃金(15年度)に反映する。
14年4月に西武HDが、有価証券報告書の虚偽記載で
西武鉄道が上場廃止になって以来、約10年ぶりに東京証券取引所1部へ
株式の再上場を果たしたことに加え、業績が堅調に推移していることから
ベア実施に踏み切った。
労使交渉で組合側は3100円のベアを要求していた。