主要企業の入社式が1日、一斉に行われた。
約89万人が新社会人となった。
グローバル化が進む中、経営環境に合わせた「変化」や、
社を挙げた「結束」を求めるトップが目立った。
パナソニックが大阪府内で開いた入社式には、
13ヵ国約600人の新入社員が集まった。
津賀社長は「2015年度は成長に向けた挑戦の第二幕だ」と
意欲を示し、「世の中はすごいスピードで変わっている。
自らの価値観すら、外部の変化に合わせる必要もある」と強調した。
今秋の株式上場を目指す日本郵政の西室社長は
「経営の自由度が拡大し、自らの使命を高い次元で
果たせるようになる。新しい歴史を一緒に作ろう。」と力を込めた。
14年4月に約10年ぶりに再上場を果たした
西武ホールディングスの後藤社長は「スピード感を
もって変革・改革に挑戦していくことが我々の大きな使命だ」
と呼びかけた。
ピンチに見舞われた企業では、結束の大切さを訴える
スピーチが目立った。20年前の阪神大震災で
生産拠点が大きな被害を受けた神戸製鋼所の川崎社長は、
「当時は会社存亡の危機を感じたが、グループ一丸となり、
生き残ることができた。これからは勝ち残りを目指す」と語った。
6000人規模の人員削減を検討している
シャープの高橋社長は「苦しいが全然へこたれるつもりはない。
再生から成長に一緒に向かっていきたい」と214人の新人に呼びかけた。
深夜の一人勤務などが批判を浴びた牛丼チェーン大手「すき家」を
展開するゼンショーホールディングスでは、小川会長兼社長が
「(問題解決は)一時しのぎでもできるかもしれないが、
それでは会社は良くならない」と自戒を込めたメッセージを送った。
日産自動車のカルロス・ゴーン社長は「可能な限り周囲と協力し、
効率的に。結果を出すことに集中を」。
ローソンの玉塚社長は「チームワークとは、それぞれの人間が
それぞれの役割を高いレベルで全うすること、信頼だ」。
NECの遠藤社長は「経済活動では倫理観が最も重要。
忘れると最終的には破綻してしまう」。
日本マクドナルドのサラ・カサノバ社長は「新しいことを毎日、
一つずつ学び、何より常にお客様を第一に考えて行動を」など、
主な企業トップは新入社員へメッセージを送った。