帝国データバンクは8日、出版業者の「倒産動向」調査の結果を発表した。
それによると、2014年度の倒産件数は46件(前年度比53.3%増)となり、
3年ぶりに増加に転じた。負債総額は、111億8,000万円(同272.5%増)と、
前年度(30億100万円)より大幅に増加した。
過去10年間における倒産件数の推移を見ると、2009年度に56件まで
増加ピークとなり、2009年12月に施行された中小企業金融円滑化法などの影響もあり、
2013年度には30件に減少。しかし、翌2014年度には46件まで増加した。
インターネットを通じて情報収集する消費者の増加や、少子化に伴う販売部数の減少、
2014年4月の消費増税により消費マインドが減退して販売環境が悪化したためと分析している。
2012年度以降に倒産した主な出版業者を見ると、負債額1位は女性向け「小悪魔ageha」
などの若者向けファッション誌を手がけていたインフォレストで、29億1,300万円。
また、吉野教育図書や教学研究社など「学習関連」出版業者の倒産が目立ったほか、
同朋舎メディアプランや四季社など「宗教関連」をメインコンテンツとする業者の倒産も見られた。
同調査は、2005年度(2005年4月〜2006年3月)から2014年度(2014年4月〜2015年3月)まで
の10年間の出版業者の倒産件数・負債総額を集計・分析したもの。