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2015.04.20

〈ファストフード業界〉世界に広がる賃金問題

DODA_FB

ファストフード店などで働く人の賃金アップを求める

世界的な取り組み「ファストフード世界同時アクション」に合わせ、

東京・渋谷など24都道府県30都市で15日、

アルバイトの若者らが時給1500円の実現を訴えるアピール行動をした。

 米国のファストフード労働者らが2012年にストライキを実施したのがきっかけ。

労組やNGOなどが支援し、最低賃金として15ドルを求めるキャンペーンになった。

14年に本格的に世界同時アクションを呼びかけ、36カ国96都市に広がった。

 東京では個人加盟の労働組合が中心となって実行委員会を結成。

この日、渋谷のマクドナルドの店舗前では約50人が「時給1500円が常識」

「働き過ぎはもう終わりだ」などと書かれたプラカードを掲げて

賃金引き上げをアピールした。

総菜屋でアルバイトをしながら求職中という女性(23)は

「時給は最低賃金より2円高いだけの890円で、とても生活できない。

希望の持てる賃金がほしい」と話した。

 実行委によると、ファストフード店の時給は東京都心部でも

950円から1000円前後で、フルタイムで働いても

年収は200万円に満たない。

事務局の河添さんは「時給1500円はまともな

暮らしのための世界的要求だ」と話している。


 そんな中、日本マクドナルドが4月から一部社員の基本給を引き下げ、

新しい給与体系に移行させることが分かった。

 日本マクドナルドが、基本給に手を付けるのは初めて。

関係者によると、4月以降、評価に応じて分けられた4つの等級のうち、

上から3、4番目の社員を対象に、昨年の基本給から1〜4%カットする。

現在、会社側が社員への説明を始めている。

 これまで、業績いかんに関わらず基本給を引き下げることはなかったが、

業績の悪化は底なしの様相を呈しており、手を付けざるを得なくなった。

好業績を背景に、今春は多くの企業がベースアップを打ち出しているが、

こうした流れに逆行した動きだ。

 日本マクドナルドは、昨年7月末の中国産鶏肉の

賞味期限切れ問題に端を発し、年明けには異物混入事件が発覚、

既存店売上高は対前年同期比でマイナス続き。

今年1〜3月の月次の既存店売上高も同30%近いマイナスとなっている。

4月16日午後に2015年度12月期業績見通しを公表する予定だが、

最終赤字は必至の状況となっている。

 一方で、日本マクドナルドホールディングス(HD)が公表した

有価証券報告書によると、今年3月25日に退任した原田前会長には、

役員報酬と退職慰労金合わせて3億3900万円、

サラ・カサノバ社長には2014年度の報酬として

1億0700万円が支払われている。

 日本マクドナルドHDは、3月25日の株主総会で

役員報酬の減額を示唆したが、現場との報酬格差はあまりにも大きく、

現場からは「現場のモチベーションは上がりようになく、

ひいてはサービスレベルの低下につながりかねない」と

いった不満の声が上がっている。 

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