ファストフード店などで働く人の賃金アップを求める
世界的な取り組み「ファストフード世界同時アクション」に合わせ、
東京・渋谷など24都道府県30都市で15日、
アルバイトの若者らが時給1500円の実現を訴えるアピール行動をした。
米国のファストフード労働者らが2012年にストライキを実施したのがきっかけ。
労組やNGOなどが支援し、最低賃金として15ドルを求めるキャンペーンになった。
14年に本格的に世界同時アクションを呼びかけ、36カ国96都市に広がった。
東京では個人加盟の労働組合が中心となって実行委員会を結成。
この日、渋谷のマクドナルドの店舗前では約50人が「時給1500円が常識」
「働き過ぎはもう終わりだ」などと書かれたプラカードを掲げて
賃金引き上げをアピールした。
総菜屋でアルバイトをしながら求職中という女性(23)は
「時給は最低賃金より2円高いだけの890円で、とても生活できない。
希望の持てる賃金がほしい」と話した。
実行委によると、ファストフード店の時給は東京都心部でも
950円から1000円前後で、フルタイムで働いても
年収は200万円に満たない。
事務局の河添さんは「時給1500円はまともな
暮らしのための世界的要求だ」と話している。
そんな中、日本マクドナルドが4月から一部社員の基本給を引き下げ、
新しい給与体系に移行させることが分かった。
日本マクドナルドが、基本給に手を付けるのは初めて。
関係者によると、4月以降、評価に応じて分けられた4つの等級のうち、
上から3、4番目の社員を対象に、昨年の基本給から1〜4%カットする。
現在、会社側が社員への説明を始めている。
これまで、業績いかんに関わらず基本給を引き下げることはなかったが、
業績の悪化は底なしの様相を呈しており、手を付けざるを得なくなった。
好業績を背景に、今春は多くの企業がベースアップを打ち出しているが、
こうした流れに逆行した動きだ。
日本マクドナルドは、昨年7月末の中国産鶏肉の
賞味期限切れ問題に端を発し、年明けには異物混入事件が発覚、
既存店売上高は対前年同期比でマイナス続き。
今年1〜3月の月次の既存店売上高も同30%近いマイナスとなっている。
4月16日午後に2015年度12月期業績見通しを公表する予定だが、
最終赤字は必至の状況となっている。
一方で、日本マクドナルドホールディングス(HD)が公表した
有価証券報告書によると、今年3月25日に退任した原田前会長には、
役員報酬と退職慰労金合わせて3億3900万円、
サラ・カサノバ社長には2014年度の報酬として
1億0700万円が支払われている。
日本マクドナルドHDは、3月25日の株主総会で
役員報酬の減額を示唆したが、現場との報酬格差はあまりにも大きく、
現場からは「現場のモチベーションは上がりようになく、
ひいてはサービスレベルの低下につながりかねない」と
いった不満の声が上がっている。