8日、厚生労働省は2015年の毎月勤労統計(速報)の調査によると、
「実質賃金指数(物価の伸びを超えて賃金の上昇をみる)」が前年を0.9%下回り、
4年連続でマイナスになったと発表した。
労働者1人平均の月間の現金給与総額は31万3856円と、
2年連続で増加したものの、伸び率は0.1%にとどまった。
一方で、15年の「消費者物価指数(生鮮食品を含む、持ち家の帰属家賃はのぞく)」は、
1.0%上昇したため、実質賃金は0.9%減(マイナス幅は前年比2.8%)となった。
14年4月の消費増税の影響が15年1〜3月に出たほか、生鮮食品が値上がりしたことが理由とされる。
働き方でみると、フルタイム労働者は40万8416円(前年比0.4%増)、
パート労働者は9万7818円(同比0.5%増)だった。
フルタイム労働者は、春闘でベースアップが相次ぎ、基本給などが7年ぶりにプラスになり、
パート労働者は、人手不足による時給の上昇などを反映されたためだ。
それでも全体の伸びが0.1%にとどまったのは、賃金水準が低いパート労働者が
全労働者にしめる割合が30.46%(前年比0.64ポイント増)となり、平均賃金を押しさげたためだ。
ボーナスを中心とする「特別に支払われた給与」も5万4558円(同比0.8%減)で、
3年ぶりに減少に転じた。
実質賃金は昨年7月以降、いったんプラスに転じたが、
実質賃金は昨年7月以降、いったんプラスに転じたが、
11月から再びマイナスとなり、12月(速報)も0.1%減だった。