太陽光発電システムの導入を検討する際、気になるのは実際に使用したユーザーのリアルな声ではないでしょうか。
今回は、新築戸建てオール電化の注文住宅にお住まいのA氏から、太陽光発電システムを2022年1~12月まで使用した結果をお聞きしました。
製品の仕様から発電量・売電金額まで、気になる結果をまとめてお伝えします。
商品:LIXILソーラーラック
公称最大出力(Pmax):265W
枚数:28枚
システム容量:7.42kW
メーカーによる年間発電量の予測値:9,939kW
メーカーが表示するシステム容量は「7.42kW」でしたが、実際の状況を聞くと最高5.5kW程度ということです。A氏のケースでは26%程度のロスが出ていることが分かりました。
この程度のロスは一般的な割合なので、事前に考慮しておくと実際の数値をよりイメージしやすくなりそうです。
1年間の合計売電量:8,600kW
1年間の合計売電金額:8,600kW×19円(売電単価)=163,400円
月平均:163,400円÷12カ月=13,616円
年間合計:139,942円
月平均:139,942円÷12カ月=11,660円
1カ月平均の差額:売電金額13,616円-買電金額11,660円=+1,956円
月平均で約2,000円売電金額が上回る結果となりました!
しかし、2023年以降は電気料金の値上げが続く見通し…。結果として買電金額が売電金額より高くなる恐れがあります。
太陽光発電の「自家消費分」を増やせば、買電を減らし、電気代上昇の影響を少なくすることができます。
自家消費分にかかわる発電量の結果を見ていきましょう。
1年間の合計発電量=10,743kW
メーカーによる年間発電量の予測値:9,939kW
実際には、メーカーの予測値を大きく超える結果となりました。
想定以上の働きをしてくれたことは、ユーザーにとっても嬉しい結果でしょう。
太陽光発電システムの導入費用(約200万円)の回収にかかる年数を計算してみます。
① 自家消費分:年間発電量10,743kW―売電量8,600kW=2,143kW
② 実際の電気購入単価:約30円/kW
③ 自家消費分の金額:2,143kW×30円=64,290円
④ 年間の発電金額:売電分163,400円+④=227,690円
☆初期費用回収までの年数:200万円÷⑤=8.78年
上記のとおり、太陽光発電は10年以内に元がとれることが分かります。
1年に1%程度の経年劣化を考慮しても、10年で赤字になることはなさそうです。
今後さらに電気代が上昇して自家消費分の価値が上がることを想定すれば、A氏邸の太陽光発電は投資として「アリ」といえるでしょう。
A氏は自宅の太陽光発電システムについて、20年は稼働できると見込んでいます。
10~15年で交換が必要なパワーコンディショナについては、20年間で1回は交換すると想定しています。(交換費用は想定30万円)
また、既に自宅に太陽光発電システムを設置しているA氏ですが、近年の電気代の高騰に対する懸念から、自家発電システムの効率をさらに向上させ、電力供給の安定化とコスト削減を図るために、蓄電池の導入を検討し始めているとのことです。
A氏邸の太陽光発電システムは運用状況も良く、10年を待たずして初期費用を回収できる見込みであることが分かりました。
実際の発電量は家の形状や環境によっても大きく異なりますが、売電金額や自家消費分の考え方など参考になる点はとても多かったのではないでしょうか。
導入検討時の資料として参考にし、ぜひ理解を深めてくださいね。
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